2020年12月21日月曜日

もうすぐクリスマス♫

 

こんにちは!江口です(*^^*)

もうすぐクリスマスですね!

神山歯科医院は今クリスマス仕様になってます☆






さて今日は神山歯科医院から皆様にいくつかお知らせがあります♩


まず、アンケートでのご要望を受け

入り口の階段に手すりの設置を行いました!!


是非ご活用ください(*^^*)



そして二つ目は、、、

当医院からのクリスマスプレゼントのお知らせです♪( ´θ`)ノ

当医院のLINEアカウントをご登録の方限定で

今回は舌ブラシのプレゼントを予定しています!

使用方法:舌を奥から手前に優しくなでるようにブラッシングします
 強く擦ったり、やり過ぎないように注意しましょう!

クリスマスにLINEにて配信予定ですので、

是非ご来院の際に受付にてプレゼント画面をご提示くださいね☆



そして三つ目は、、、

豪華景品の当たるお年玉企画のお知らせです♫

こちらも当医院のLINEアカウントご登録者のみの参加となっております

詳細はLINEにて配信予定ですのでお楽しみに♪( ´▽`)




早いもので今年もあと10日程ですね、、

一年過ぎるのがあっという間に感じます(*_*)


年内の診療は12月28日の午後6時までです。

12月29日〜1月4日まで休診1月5日から通常通り診療いたします。


それでは皆様、良いお年をお迎えくださいm(_ _)m

2020年12月4日金曜日

う蝕 (虫歯) とは何なのか


みなさんこんにちわ、前川です。
ずいぶん寒くなってきましたね、これが冬ですね。笑

さて今回からボクの回、3回にわたり、cariology(う蝕学) について
連載していこうと思います。
原点にかえり、う蝕(虫歯) について現在の考え方、コンセンサスを
3回にわたってしっかりお話していきます。

第一回 : う蝕の病因論 (なぜ虫歯ができてしまうのか)
第二回 : う蝕の概念 (現在のう蝕というものの捉え方)
第三回 : う蝕のマネージメント (う蝕をどう予防していくべきか)

さて、今回は第一回ということで、う蝕の病因論です。
なぜそこに虫歯ができてしまうのか。です。




この100年ほどの間、う蝕というものはなぜできてしまうのか、
多くの研究がされ、多くの仮説が考えられてきました。
例えば、1960年代のFitzgeraldとKeyes の報告ですが、
無菌のネズミにある菌と砂糖を与えると虫歯が出来ました。
さらに悪いことに、一緒にいた無菌のそのネズミの子供にも
虫歯ができてしまいました。
これによって、
“虫歯はうつる!!親から子供に感染する!”
こういう説が考えられ始めました。
実はこの ”ある菌“ が、S.Mutans(ミュータンス)だったのです。

“ミュータンス菌が虫歯の原因だ!子供にうつるぞ!”
こういう考え方が数十年間信じられてきました。

2000年代に入り、現在はこういう考え方ではなくなっています。
現在は、“生態学的プラーク仮説” という考え方になっています。

砂糖の頻繁な摂取、唾液分泌低下などにより、
プラーク中のpHが低下すると、う蝕の原因となる菌が
成長しやすい環境となり、細菌叢のバランスが崩れ、
結果としてう蝕になる



Microbial ecology of dental plaque and its significance
in health and disease.
Marsh PD . Adv Dent Res .1994


読むと難しそうですが、たしかに複雑ですね。

ボクらがご飯食べると、歯にくっついてある菌が酸を出します。
いわゆる脱灰が起こります。一瞬歯が溶けます。
それだけであれば、ブラッシングをして、唾液によって、
一瞬溶けた歯がまた硬くなるのです。いわゆる再石灰化が起きます。
この、溶けて硬くなって。。。を口腔内の歯は一生繰り返します。
細菌の出す酸が溶かし、唾液がまた硬くします。

ところが、ご飯以外に間食、甘い食べ物、甘い飲み物の摂取が増えたり、
唾液が少ない人の場合、
溶けて硬くなってを繰り返すのではなく、溶けて、溶けて、溶けて。。。
硬くなろうとするけど、間に合わず。。。。
みたいなことが起きます。
脱灰が再石灰化を上回ってしまうのです。

最初に歯に菌がくっついて、砂糖の摂取が増え、放っておくと、
どんどん菌が重なって、どんどん酸を産生して、周囲がどんどん酸性になり、
溶ける、溶ける、溶ける。。。
が続いて、ブラッシングや唾液では間に合わなくなるのです。
その過程で、虫歯という過程を経るのです。
間食の仕方を見つめ直す必要があります。
もちろん虫歯は菌がくっついているところにしかできませんので、
適切なブラッシングは当然重要ですが、ブラッシングを頑張ってさえいれば虫歯にならないかというとそうではないのです。
虫歯は多因子疾患です。

補足 : 1日4回までの飲食が望ましい。と報告されています。
(ただし、フッ化物を効果的に使用したブラッシングができている場合)
Diet,nutrition,and the prevention of dental diseases
Moynihan P . Public Health Nutr .2004


こういうことを難しい言葉で言っているのが、
この生態学的プラーク仮説です。



Dental Caries : The Disease and its Clinical Management .
Fejerskov O & Kidd E . Blackwell . Munksgaard . 2003 .


ちなみに、この最初にくっつく菌の一つが、S.Mutansです。

実は数は非常に少なく、この菌だけの力では虫歯になりません。
虫歯に関与する菌は30数種類あるといわれています。
S.Mutansだけのせいで虫歯になるわけではないし、
実は虫歯のところにこの菌がいない場合もあります。

さらに、虫歯の数とS.Mutansの数に関連性は見出されていません。
どういうことかというと、
S.Mutansの数が多いと、虫歯が多くできるわけでもなく、
S.Mutansが減ったら虫歯が減るかというと、関連性はないと報告されています。
虫歯はそんな単純な疾患ではありません。

研究によって成人から成人にはうつらないことが報告されています。
子供には、どこかの段階で母親からうつることが多いと考えられています。
Caufield たちは、生後19〜31ヶ月頃までを「感染の窓」と呼び、
この時期に連鎖球菌の定着が多い可能性を報告しています。

ここで重要なのは食器を分けることではありません。
食器を分けようが、普通に生活していればいつの間にかうつります。
食器分けるのはムダな抵抗です。
それより他に優先順位の高いすべきことがあります。
子供に対する愛情表現、子供に与える前にまず熱さなど大丈夫か確認する。
そういうスキンシップの方がずっと大事です。
仮にうつしたくないと考えるならば、食器を分けることに必死になるのではなく、
お母さん自身の口腔内を良い環境にすることの方がよりずっと重要なことです。

現在う蝕は多因子疾患と考えられています。

次回は、この多因子疾患、現在のう蝕の捉え方について言及していきたいと思います。

それではみなさん、よいお年を?!