みなさんこんにちわww 前川です。
COVID-19まだまだ油断できませんので、みんなで協力して気をつけましょう。
さて今回は、舌の位置や動きと歯並びについて言及したいと思います。
舌の位置や動きと歯並びは関連性があるのか。。。
結論から言うと、関連性があります。
舌突出癖という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
医学的に舌突出癖とは、実は嚥下(飲み込み)の時に舌が出てくることを言います。
嚥下時ではなく、普段舌が出ていることを舌突出癖とは言いません。
それはただの「いつもベロが出ている」です。
この嚥下時の舌突出癖を舌突出嚥下(幼児型嚥下)と言います。
この舌突出嚥下(幼児型嚥下)とは、舌を突出しながら行う嚥下のことで、赤ちゃんにとって母乳を飲むために必要不可欠なものです。
乳歯列が完成する頃から成熟型嚥下へと徐々に移行していきます。
具体的には3歳ごろには現れ始め、6歳ではまだ半数以下で、
8歳で60%が達成すると考えられています。
ただ、10~15%は大人になっても成熟型嚥下へ移行できないことが示唆されています。
成熟型嚥下への移行には、指しゃぶりやおしゃぶりなどの吸啜癖の消失が重要になってきます。
成熟型嚥下は、上下の歯が咬み合った状態で舌の先を上の前歯の裏側に当てて行います。
試しに、口を開けた状態で飲み込みをしてみてください。
口を開けたままの飲み込みは通常は非常に難しいはずです。
ところが、口唇を閉じて上下の歯で舌を挟んだ状態(舌を突出させた状態で、幼児型嚥下と同じ状態)ならできると思います。
幼児型嚥下から成熟型嚥下へ、うまく移行できなかった場合でも、上下の歯の間に舌を置くと嚥下ができてしまいます。
この舌を上下の歯で挟んだような状態で嚥下することが当たり前になると、
上下の歯が咬み合わなくなって、上下の前歯に隙間ができるのではないか。
こういうことが示唆されてきました。
ただ、
PATTERNS OF TONGUE CONTACT IN NORMAL AND LISPING SPEAKERS
Proffit.WR.et.al.1973
LINGUAL PRESSURE PATTERNS IN THE TRANSITION FROM TONGUE THRUST TO ADULT SWALLOWING
Proffit.WR.1972
これらの報告によると、舌の先が押す力はさほどないのではないかと考えられていて、
飲み込み時に舌を上下の間に置くことが、上下の前歯が咬み合わないだけでなく、
元々上下の前歯が咬み合ってないことで、飲み込み時に舌をそこに持っていくしかないのではないかということも示唆されています。
そこで、もっと重要なのは、飲み込み時ではなく、安静時つまり、リラックスした状態の時に、舌の位置がどこにあるのか。
こちらの方が上下の前歯が咬み合うかどうかに影響を及ぼします。
通常、口を閉じた状態時には、舌は上にあるのが生理学的な位置です。
ところが、先ほど言ったように、
「いつもベロが出ている」状態、舌が真ん中や下にあるとすると、これが歯並びに影響する可能性があります。
具体的には、下顎が前に出たり、上下の前歯が咬み合わないなどです。
こういうことから、安静時の舌の位置が原因で、歯並びに影響する可能性があるのです。
したがって、もし舌の位置で歯並びに影響を及ぼし、なんらかの不具合が出ていると診断、判断した場合には、舌の位置の修正やトレニーングをオススメする場合があるのです。
何かが起きた時には必ず原因があります。
なにが原因でそれが起きているのか。
ボクらはその原因を必死に考え、対応を考えていくのです。